第11回研究発表(富山)大会の報告

第11回研究発表(富山)大会の報告

第11回研究発表(富山)大会の総括

                
                 研究委員長 松 﨑  学

1.新たな時代への一歩
 今回は、國分前理事長から河村理事長へのバトンが受け継がれた最初の学会でした。開会式での國分協会会長から、「なかなかやってくれるじゃないか」といった主旨が投げかけられ、新たに船出した本学会の動きに一定の満足を表明してもらえたと感じました。

2.大会を振り返って
 今回の特色の一つは、大会前日に富山県教育カウンセラー協会が独自に特別研修会を開催したということでしょう。同協会を率いてきた水上氏が2003年から粘り強く進めてきた「対話のある授業づくり」に関して、大きな一区切りをなし得たものと信じます。
 それは大会においても、河村氏の記念講演「学力向上と学級経営」および公開シンポジウム「対話のある授業のこれから-教育力のある学級集団の育成-」につながっています。授業の成果促進の基盤として学級の人間関係のあり方があらためて強調・確認されたと考えられます。
 情報交換会では、まず國分先生の叙勲のお祝いがなされました。ご功績が映像でわかりやすく提示された後、各氏のご祝辞に、参加者一同、心温まるひとときを共有し、國分先生の、熱い志に深く共感しました。
 その後の情報交換会は、和やかなものであり、アトラクションは、富山の「越中おはら風の盆」の踊りなど、郷土色豊かなものになりました。
 2日目午前中、口頭発表・事例研究発表・ポスター発表が行われ、熱気を帯びた論議が交わされました。
 午後は、ラウンドテーブルに加え、研究支援相談会が設けられました。全体シェアリングに先立ち、平成25年度サイエンティスト・プラクティショナーの表彰があり、その後の全体シェアリングでは、参加者の満足感と実行委員会への感謝の気持ちを共有しつつ、閉会となりました。

3.おわりに
 今回の大会発表論文集に関しては、原稿のフォーマットをダウンロードして原稿作成をお願いしたのでした。従来に比べて、論文集としての体裁が整った論文集となりました。研究発表内容・プレゼンの質も向上しているように見えます。内容的には、予防的・開発的援助サービスに関する研究が一定割合を占めていることに、本学会らしさを感じるところです。

'' 第11回研究発表富山大会略報告

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 第11回大会は、平成25年8月10日(土)・11日(日)の両日にわたり、富山大学五福キャンパスを会場に、富山県教育カウンセラー協会と共催、富山県教育委員会,富山市教育委員会,富山県小学校長会,富山県中学校長会,日本学校教育相談学会、NPO日本教育カウンセラー協会後援のもと盛大に開催された。以下その概要について報告する。詳細については「発表論文集(2000円)を参照されたい。

大会前日・8月9日(金)  特別研修会

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大会前日に富山県教育カウンセラー協会が独自に特別研修会「対話のある授業づくりワークショップ・リーダー研修会」をサンシップとやまで開催した。学級を学びの場、心の居場所とし、学びに立ち向かう集団にする「カウンセリングを生かした対話のある授業づくり」を構築するための理論と方法を明らかにする研修会である。

第1日目 8月10日(土)

* 9:30~11:30 自主シンポジウム [#ucf5bf02]
''◆第1会場「教育カウンセリングの生徒指導への貢献―一次的/二次的援助サービスの適正化とトータルな援助サービスに向けて」
企画:松崎 学(山形大学)
司会進行:板垣市子(山形県スクールカウンセラー)
話題提供:松崎 学(山形大学)
     折笠國康(郡山女子大学短期大学部)
     柴山謙二(熊本大学)
指定討論:古城和敬(大分大学)

第2会場「被災地における教育カウンセリング―今後の援助の在り方を求めて―」
企画者:苅間澤勇人(岩手県立一関第一高等学校定時制教諭)
司会者:小野寺正己(仙台市天文台副台長)
シンポジスト:根田真江(岩手県盛岡市立玉山中学校校長)
     佐藤謙二(岩手県大船渡市立大船渡中学校副校長)
     藤村一夫(岩手県織笠小学校副校長)
指定討論者:粕谷貴志(奈良教育大学)
     武藤由佳(盛岡大学)
◆第3会場「教育カウンセリングの知見や手法を用いた育児・保育支援を考えるPartⅣ―子どもの発達のアンバランス」
企画:栗原ひとみ(植草学園大学)
司会:水畑久美子(富山市教育センター)
シンポジスト:小林美佐子(神戸女子大学)
       齋藤みどり(千葉県公立学校教諭)
       石坂慎司(富山県スクールカウンセラー)
アドバイザー:冨田久枝(千葉大学)・
◆第4会場「看護教育と教育カウンセリングーカウンセリング・マインドの用語を通してー」
企画者:稲垣応顕(上越教育大学大学院)
司会:佐野 泉(横浜国立大学)
シンポジスト:田丸早苗(富山赤十字看護専門学校)
       松森由香里(富山大学付属小学校)
       松井理納屋(上越市立教育センター)
指定討論者:稲垣応顕(上越教育大学大学院)
◆第5会場「学校における性教育の現状と教育カウンセラーの役割―今こそ教育と医療のスクラムを―」
企画:滝川 雅也(徳島大学)
司会進行:鹿嶋真弓(高知大学)
話題提供:滝川 雅也(徳島大学)
     田村隆数(高知学園短期大学)
     吉野さやか(八雲町立落部中学校)

* 11:45~12;45 ポスター発表 [#xc2c3c18]

1「学級経営に活かす人型シール(Person-Shaped

  • Sticker)3―ポジテイブな他者発見行動『あなたのいいところ』と人型シールPSSにおける学年間の差異」。(埼玉県公立小原田友毛子)。2「目標指向性の高い学生の進路選択の『きっかけ』について」(秋田県立大学、渡部昌平・渡部諭・小池孝汎)。3「キャリアデザイン演習におけるカウンセリングの効果―三大目標の達成に向けたゼミの組織的運営を通じて」(千葉経済大学経済学部、中嶌剛)。4「青年期のケータイ・メールと他者意識」(東北大学大学院情報科学研究科・神野美智男)。5「小学校低学年における対話活動への指向性についての研究」(鹿児島大学大学院・八谷直樹、鹿児島大学・假屋園昭彦)。6「3っのシェアリングの比較―『読む』・『聴く』・『書いて話す』―」(帝塚山大学心理学部・水野邦夫)。7「認知行動療法を授業に取り入れて」(専修大学附属高校・平沢千秋)。8「コミュニケーション能力を高める授業の工夫―保育養成校における実践」(名古屋経営短期大学・勝田みな)。9『自叙伝に見られる教師のカウンセリング・ガイダンスの役割―読売『私の先生』、日経『学びのふるさと』を対象にして』(白梅学園短期大学・林潔)。10「ストレス反応に影響を及ぼす生活指導目標(その2)」(ノートルダム清心女子大学大学院・鈴木久子)。11「特別支援教育(自閉症)における自立へ向けての取り組み」(富山市立北部中学校・齋藤玲子)。12「稲美町全小中でのQ-U導入までの経過と成果・課題」(稲美町立稲美中学校・井上真一、奈良工業高等専門学校・石丸裕士)。13「大学における授業振り返りシートの効果」(昭和女子大学・河野義章)。14「高校入学早期におけるSGEの効果―自由記述の分析を中心に」(岩手県立一関第一高等学校定時制教諭・苅間澤勇人)。15「子ども理解をどう深めるかー子どもの思考をとらえる授業実践とはー」(印西市立西の原小学校・齋藤みどり)。16「高校用Q-Uを高専で活用するための尺度や整合性についての検討(奈良工業高等専門学校・石丸裕士)

13:30~13:50 開会式

◆開会の辞:富山大学学生''支援センター 西村優紀美
◆挨拶:大会実行委員長(富山県教育カウンセラー協会代表)水上和夫
    学会理事長(早稲田大学教授)河村茂雄

◆激励の言葉:日本教育カウンセラー協会会長 國分康孝Ph.D

◆閉会の辞:上越教育大学大学院十教授  稲垣応顕

14:00~15:15 記念講演

◆はじめの言葉:文教大学講師 平宮正志

◆記念講演

 ''演題:「学力向上と学級経営」 講師:河村茂雄
''(日本教育カウンセリング学会理事長 早稲田大学教育・総合  
科学学術員教授)

◆お礼の言葉:寺西康夫 富山大学人間発達科学部客員教授

15:30~17:00 公開シンポジウム・シェアリング

テーマ:「対話のある授業のこれから-教育力のある学級集団の育成-」
コーディネーター  岡田弘(東京聖栄大学教授)
話題提供者:河村茂雄(早稲田大学教授)・大友秀人(北海商科大学教授)・水上和夫(スクールカウンセラー・元富山県総合教育センター教育相談部長)・島田昌美(魚津市立上中島小学校教諭)

18:00~20:00 情報交換会

◆國分先生・叙勲のお祝い
◆花は咲く
     
◆郷土の誇り(おはら風のぼん)

◆第11回大会実行委員の皆様方(富山支部)

◆第12回大会へどうぞ(第12回大会石塚勝郎実行)委員長)

第2日目 8月11日(日)

◆9:30~11:30 口頭発表及び事例発表

 口頭発表:31名予定
 事例研究:16名予定

〇口頭発表

△第1分科会(Q―U):座長:松崎 学
1-1 アセスメントのためのQ-U検査とエゴグラムの活用(富山県スクールカウンセラー・石坂慎司 1-2
満足型学級集団の質の違いに関する探索的研究―Q=U因子・学級機能因子・本来感における満足型学級集団の再分析の試みとその違い―(山形大学地域教育文化学部付属教職研究総合センター・松崎 学)1-3 Q-Uの結果を学級経営に活かすために(富山市立堀川中学校・赤座和子)

△第2分科会(授業)座長:寺田治史
 2-1 写真コラージュ法とSGEのコラボレーションー対話のある授業の創出―小学校編―(大成学院大学 寺田治史)2-2 親和的学級集団づくりを目指した三つの技法―構成的グループエンカウンター・学級レクレーション・教育相談―(聖徳学園大学大学院児童学研究家・田中いずみ)2-3 対話のある授業を支える学級集団づくりの技―熟練教師の持つ「技」の考察(長野市立成徳中学校・宮原利恵)2-4 対話のある授業による大学生の意識改革を目指してー授業演習に構成的グループエンカウンターを活用してー(愛知教育大学/殿木道子)

△第3分科会(いじめ・不登校)座長:杉山雅宏
 3-1 高校中途退学における自己評価(東北薬科大学・杉山雅宏)3-2 登校しぶりの子どもの親のサポートサポートについて~勇気づけのやり方で~(酒田市立富士見小学校・御船則子)3-3 安心感を与える適応指導教室(不登校生徒)のあり方(公立中学校・明里晴美)
 
△第4分科会(学習・テーチング)座長:苅間澤勇人 
 4-1 ブリーフセラピー取り入れた看護師国家試験対策(藤井学園寒川高等学校・山口真理)4-2 高校入学早期における学校適応への援助(岩手県立一関第1高等学校、早稲田大学 河村茂雄)4-3ペアやグループの活動で関わりを作る(魚津市立大町小学校・三田祐輔)4-4 学校でできるソーシャルスキル(金沢市立扇台小学校・坂口直子)
 
△第5分科会(特別支援)座長:渋谷哲宏
 5-1 通級におけるカウンセリング(青梅市立藤橋小学校・渋谷哲宏)5-2 良好な対人関係を気づくことを目指してー一人対一人の人間関係からー(秋田市立旭川小学校・遠藤真利子)5-3知的特別支援学級における勇気づけを活かした支援(山形県白鷹町立荒砥石小学校)
 
△第6分科会(SGE)座長:水野邦夫
 6-1 大学生への構成的グループエンカウンター ―「人見知り」の学生はどんなエクササイズを評価したかー(大東文化大学外国語学部日本語学科・三角友子)6-2 児童に自己肯定感を育む全校SGEの取り組みー極小規模小学校における実践―(新潟県湯沢町三国小学校・近藤哲夫)6-3オープンキャンパスでのSGEの実践(植草学園大学・栗原ひとみ)6-4 エクスサイズのねらいはどのようにつたわっているのかー自由記述データの分析による検討―(帝塚山大学心理学部・水野邦夫)
 
△第7分科会(学級経営)座長:高島英公子

 7-1 荒れのエネルギーを学級の力に変える学年運営(高岡市立定塚小学校・高島英公子)7-2かかわりあい、学び合う学級集団を支える教育相談の工夫―グループアプローチを通してー(宣野湾市立長田小学校・宮城敦子)7-3 SGEとQ-Uを活用した学級経営(石川県七尾東雲高等学校・中川秀人)7-4 生徒・保護者・学校(先生)をつなげる生徒指導通信―コラボレーションで自己指導能力を高めるー(磐田市立磐田第一中学校・松本昌三)

 
△第8分科会(キャリア教育)座長:渡部昌平
 8-1 職業カードソート技法を集団で実施する方法の開発について(秋田県立大学・渡部昌平)8-2 小学校1年生の発達課題の確定とその実践的課題(学童保育所非常勤指導員・宮しげり、明星大学名誉教授・岸俊彦)8-3 就職支援におけるPBLとコミュニケーション能力開発について(筑波大学・遠藤雅子)8-4 前に踏み出したい若者たちの自己肯定感を高める(嶋田清美)

〇事例研究発表

 
△A分科会(不登校1)座長:菊池章子
 A-1 適応指導教室における不登校支援―教育カウンセリングの方法を導入してー(富山市大沢野適応指導教室・水畑久美子)A-2 みんなちがって みんないいー教育カウンセリングの方法を導入してー(南魚沼市立後山小学校・平澤健一)A-3 不登校の小学校女児とその保護者への支援(スクールカウンセラー・山下みどり)
 
△B分科会(不登校Ⅱ)座長:竹野修治
 B-1 不登校のための教育カウンセリングー小・中学校での不登校経験者の学校生活(私立高等学校スクールカウンセラー・山西恭子)B-2 2度目の1年生―教室に入るために実践していること(私立高等学校スクールカウンセラー・中田麗美)
 
△C分科会(特別支援)座長:西村優紀美
 C-1 不適応に対する特別支援―家庭理解とチーム支援(さぬき市立さぬき南中学校・都築秀器)C-2 明るく活気のある学級づくりー通常学級における特別支援教育に関する取り組みー(宮田和美)C-3 通常学級内の特別支援が必要な生徒への個別の対応と学級集団へのアプローチ(山形県中学校教員・後藤玲子)
 
△D分科会(かかわりの難しい子どもへの支援)
座長:森沢 勇 
D-1 学習時の着席や感情のコントロールが難しいY児への支援(高岡市立木津小学校・黒田陽子)D-2アスペルガー症候群の傾向を示す大学生への支援プロセスー大学ゼミナールにおける事例―(小樽商科大学大学院小学研究科・小川千里)D-3 学生A、その保護者と教員Bとのかかわり(名古屋経営短期大学・勝田みな)
 
△E分科会(問題行動・カウンセリング援助)
座長:平宮正志
 E-1 アドラーの個人心理学による家族カウンセリングー積極的肯定的関心と親子関係の変容についてー(熊本大学教育学部・柴山謙二)E-2 問題行動生徒の教室復帰への援助(富山市内中学校教諭・松岡邦幸)
E-3 体育系大学生に対する教育カウンセリング的援助(6)―大学生アスリートのパーンアウト予防―(大阪体育大学・土屋裕睦)
 
△F分科会(サイコエジュケーション)      座長:稲垣応顕
 F-1 被災後に不適応を示した中学生への支援(二本松市立二本松第1中学校・佐藤由美子)F-2 「自己を表現する力の育成」に向けての取り組み事例(別海町立上風連中学校・井上恭子)F-3 どのような生徒も対話が楽しめますように(富山県立雄峰高等学校・池上道子)

◆13:00~14:45 ラウンドテーブル

( )内氏名はリーダー

①特別支援教育          (西村優紀美)
②不登校             (加勇田修士)
③生徒指導(ガイダンスカリキュラム)  (小野寺正己)
④対話のある授業          (大友秀人) 
⑤構成的グループエンカウンター(SGE) (品田笑子)

⑥乳幼児・家庭教育        (冨田久枝)
⑦キャリア教育          (稲垣応顕)
⑧スクールカウンセラー(カウンセリング面接)
(水上和夫)
⑨学級づくり(QUの活用)      (粕谷貴志)
⑩学校づくり(組織づくり)      (藤川 章)

⑪研究支援相談          (松崎 学)

15:00~16:00 全体シェアリング・閉会式

△ 表彰式(サイエンティスト・プラクティショナー賞)
                進行:森 悦郎

※当日出席された13名の表彰者々

△全体シェアリング     進行:村田己智子

閉会式

Ⅰ 挨拶
 水上和夫 第11回大会実行委員長
 
石塚勝郎 第12回大会実行委員長

2 閉会の言葉
   森沢 勇 第11回大会実行委員会事務局長

 (文責:池場 望)

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